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空調機コンプレッサーの騒音解析(内部問題)音響解析ソフトウェア Advance/FrontNoise

空調機コンプレッサーの室内騒音評価

音響解析

図1 に示す空調機コンプレッサーの室内音響解析を実施しました。

図1 モデル概観(左から、コンプレッサー、マフラー、四方弁、壁という順で配置されている)

図1 モデル概観(左から、コンプレッサー、マフラー、四方弁、壁という順で配置されている)


個々の部品機器における透過損失の値を以下に示します。

図2 コンプレッサーの音響特性(横軸:周波数、縦軸:透過損失)

図2 コンプレッサーの音響特性(横軸:周波数、縦軸:透過損失)


図2 は、コンプレッサーの透過損失の周波数依存性を示しており、500[Hz]と1300[Hz]を中心に大きなピークが存在し、900[Hz]付近では透過損失がマイナスになり消音効果が0になります。また、1800[Hz]以上の高周波数領域においても、透過損失が小さく消音効果が小さいという特徴があります。

図3 マフラー1の音響特性(横軸:周波数、縦軸:透過損失)

図3 マフラー1の音響特性(横軸:周波数、縦軸:透過損失)

図3 は、マフラー1の透過損失の周波数依存性を示しています。コンプレッサーものと分布が似ており、900[Hz]近辺で消音効果がなくなります。このような特徴から、マフラー1とコンプレッサーを組み合わせた場合、900[Hz]近辺の音は減衰されることなく透過し、騒音となることが予想されます。

図4 マフラー2の音響特性(横軸:周波数、縦軸:透過損失)

図4 マフラー2の音響特性(横軸:周波数、縦軸:透過損失)


図4 は、マフラー2の透過損失の周波数依存性を示しています。マフラー1とは異なり、広がった分布を持っており、マフラー1に比べてより広い周波数帯域に対して消音性能を持っていることが分かります。1600[Hz]辺りで消音性能が良くなることと、1850[Hz]辺りに極端に消音性能が悪くなる箇所があるのが特徴です。

図5 マフラー3の音響特性(横軸:周波数、縦軸:透過損失)

図5 マフラー3の音響特性(横軸:周波数、縦軸:透過損失)


図5 は、マフラー3の透過損失の周波数依存性を示しています。マフラー2とよく似た分布を持っており、広い周波数帯域に対して消音性能を持っており、マフラー2よりも1800[Hz]以上の帯域で高い消音性能を持っているのが特徴となっています。


図6 四方弁の音響特性(横軸:周波数、縦軸:透過損失)

図6 四方弁の音響特性(横軸:周波数、縦軸:透過損失)


図6 は、四方弁の透過損失の周波数依存性を示しています。他の部品機器と異なり、1200[Hz]辺りに非常に大きな値を持ち、それを挟むようにして、600[Hz]と、1600[Hz]周辺に高い値を持つのが特徴です。

図7 マフラーの違いによる、装置全体の音響特性(横軸:周波数、縦軸:透過損失)

図7 マフラーの違いによる、装置全体の音響特性(横軸:周波数、縦軸:透過損失)


図7 は、図1 に示したモデル全体の透過損失の周波数依存性をマフラー毎に示しています。モデル全体の消音性能が一番高いのは、マフラー3を用いた場合となっていることが分かります。このモデル全体の透過損失を用いて、実験により得られたガス圧脈動データの音が全部品機器を通過した際の四方弁出口における音圧値を図8 に示します。

図8 実験データを入力値とした場合の四方弁出口における音圧値

図8 実験データを入力値とした場合の四方弁出口における音圧値


図7 から分かるように、マフラー3を使用した場合に最も高い消音効果を得ることができます。

構造解析

直管の内壁に加えた圧力の中心点の外壁における振動結果を図9 に示します。これより、直管の外壁の振動は2つの振動を合わせたモードになっていることが分かります。大きい振動は、圧力の入力波形そのもので、小さい振動が、直管半径方向の振動を示していると考えられます。この半径方向のモードの振動数は、17,200[Hz]であり、可聴域を超えています。確認の為に固有値解析を行ったところ、振動数の小さい方から44 番目のモードに17200[Hz]の振動があることを確認しました。よって、直管半径方向の振動モードは今回の解析では考慮しなくていいことが分かりました。図10 に17200[Hz]の固有振動モードを示します。

図9 外壁変位の時間依存性

図9 外壁変位の時間依存性


図10 直管の半径方向の振動モード(17200[Hz])

図10 直管の半径方向の振動モード(17200[Hz])


結果として、直管の振動速度は、解析対象とする音波そのものの振動速度に構造解析より得られた最大変位を掛けた値となります。

解析解を用いた解析

四方弁の出口から先の7[m]の細い管の数値音響解析の実施は収束を得る事が難しいことが分かっています。また、剛壁の直管では、音響的な透過損失は0[dB]となるため、計測点近辺の内壁の振動の圧力を四方弁の出口圧力と同じとみなして計算結果を音響計算に適用します。

図8 の解析結果から、マフラー1を用いた場合における四方弁出口の圧力は、57.5[Hz]~100[Hz]では3.0×104[Pa]であり、1[kHz]付近では1.0×102[Pa]です。マフラー2を用いた場合には、57.5[Hz]~100[Hz]では3.0×104[Pa]であり、1[kHz]付近では1.0×101[Pa]です。また、マフラー3を用いた場合では、57.5[Hz]~100[Hz]では3.0×104[Pa]であり、1[kHz]付近では1.0×101[Pa]です。式(16)-(21)を用いて得られる、直管から0.2[m]離れた測定点における音圧レベル値を図11 に示します。

図11 測定点での音圧レベル

図11 測定点での音圧レベル


実験により測定点で得られた音圧レベル値データは、マフラー1を用いた場合の結果のみが取得されており、52[Hz]において44[dB]、1[kHz]付近において20[dB]という値が得られています。図11 のマフラー1の結果と比較してみると、同様の結果が数値実験によって得られていることが確認できます。


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