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構造解析ソフトウェア Advance/FrontSTR のメッシュ細分化機能 「リファイナー」

背景特長システム構成基本性能


背景

従来の構造解析は、あらかじめ設計上でクリティカルになる部位を設計者が想定し、その部位に対する解析を行うことが一般的です。ところが、近年の計算機能力の飛躍的向上により、製品や構造物をまるごと解析するというニーズが産業界で高まっています。

この問題解決方法には幾つかのアプローチがあるが、これまで当社は大規模な構造解析を可能とするというアプローチをしてきました。また、一方で、大規模なメッシュをどのように作成していくかという課題があります。

当社では、この課題を解決すべく、当社のプリポストAdvance/REVOCAPおよび構造解析ソフトウェアAdvance/FrontSTRで「リファイナー」を実現しました。本機能を利用することで、高精度な解析を実施することができます。

具体的には、ひとつの条件を指定するのみで、メッシュを細分化した解析を実行することが可能となりました。ここでは、Advance/ FrontSTRに実装されているメッシュ細分化機能を検証するために、標準的なCT試験片の応力集中解析を行いました。また、「リファイナー」を利用した超大規模計算(1億8000万自由度)を実施したことを報告します。

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特長

リファイナーは、メッシュを自動的に細分化する機能を持ちます(*1) (*2) (*3)。ユーザーから与えられた情報に従い、その階層数だけメッシュを細分化します。ユーザーは、その階層数だけを、ソルバーの制御データとして与えるのみです。従って、細分化によるユーザーの負担はほとんどありません。リファイナーの特長は次の通りです。

  1. 形状適合性の向上
  2. 境界条件設定の負担増がない
  3. プリポスト側の計算機資源の負担増がない
  4. 領域分割処理の負担増がない

以下、その特徴について述べます。
このうち、最初に示した第1の特長はCAD 形状の曲面データを用いて細分後の形状に適合させることができることです。すなわち、メッシュで解析精度を向上させると同時に、形状解像度を向上させたデータを利用して解析を実施することが可能です。

次に、第2の特長については、境界条件が与えられた解析モデルをクラスタ環境で細分化することです。ここでは、あらかじめ細分化前のモデルに境界条件を設定しておくことで、細分後の大規模モデルの境界条件の設定が不要です。すなわち、境界条件を設定する際には、ユーザーは、サイズの大きなデータやモデルを取り扱う必要がありません。

第3の特長は、ソルバー組み込み型であり、クライアント-サーバー方式の計算環境においては、サーバー側での処理となります。従って、プリポストを実行するクライアントには、処理の負担を増やさないようにすることが可能です。

最後に第4の特長は、次の通りです。大規模データになると、並列化のための領域分割の処理速度が課題になることがあります。しかし、「リファイナー」の利用により、領域分割した後にモデルの細分化するため、領域分割ツールへの負荷が少ないです。従って、ユーザーは細分化後の領域分割を気にする必要がありません。

(*1) 末光啓二, “FrontISTRの機能紹介”, 第3回統合ワークショップ(次世代ものづくり),文部科学省次世代IT基盤構築のための研究開発「イノベーション基盤シミュレーションソフトウェアの研究開発」(2011.02.25)

(*2) 吉村忍, 徳永健一ほか, “並列連成解析システムREVOCAPを用いた流体構造連成解析”, 第59 回理論応用力学講演会(2010.6)

(*3) 徳永健一, “REVOCAP_PrePostとREVOCAP _Refiner”, 第3回統合ワークショップ(次世代ものづくり), 文部科学省次世代IT基盤構築のための研究開発「イノベーション基盤シミュレーションソフトウェアの研究開発」(2011.02.25)

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システム構成

次に「リファイナー」のシステム構成について示します。まず、細分化する前のデータで、構造モデルを領域分割して、それぞれの領域のファイルに分けます。そのファイルをソルバー側にファイル転送します。このときにCAD形状データも合わせて転送します。その後、ソルバーの環境(計算サーバーを想定)において、それぞれの領域のメッシュがリファインされます。その際に、リファイナーはCAD形状データを参照しながらメッシュの細分化を行います。すなわち、もともと丸い形状は、細分化しても丸くなるという機能です。その後に、ソルバーの処理に入ります。

図1 リファイナーのシステム構成

図1 リファイナーのシステム構成

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基本性能

大規模解析を実施する場合、以下の2通りを比較しました。まず、Advance/REVOCAPに組み込まれたADVENTURE_TetMeshで細かいメッシュを生成してから、FrontISTR(※)で解析しました(ケース1)。次に、Advance/REVOCAPに組み込まれたADVENTURE_TetMeshで粗いメッシュを生成してから、REVOCAP_Refinerが組み込まれたFrontISTRを利用してオンメモリでモデルを細分して解析しました(ケース2)。

ここでは、このケース1とケース2を比較しました。下表にこの結果を示します。ここで、ソルバーのプレ処理には、ファイル読み込み時間、オンラインのリファインの時間を含みます。

※ ここで紹介する性能については、文部科学省次世代IT基盤構築のための研究開発「革新的シミュレーションソフトウェアの研究開発」において実施された内容であり、公開されているソフトウェアであるFrontISTRを利用しました。これらの性能は、当社の製品版Advance/FrontSTRでも同等の結果を得ることができます。

表1 リファイナーの基本性能

項目 ケース1 ケース2
要素数 292820 2290824
節点数 446320 3255492
メッシュ生成時間[s] 145 4527
リファイン回数 1回 なし
リファイン後要素数 2343120 0
リファイン後節点数 3344152 0
ソルバープレ処理[s] 24 27
ソルバー解析時間[s] 7692 7469
トータル所要時間[s] 7861 12023

この結果から、ソルバーのプレ処理時間、解析時間はほぼ同等であることが分かりました。また、メッシュ生成時間を考慮すると、Refinerの細分機能を使って大規模モデルを作成した方が約35%の時間短縮になることが分かりました。従って、リファイナーの目的は十分に達成できていることがこの結果から分かります。

また、実際のモデル作成時には、さらに、このスループットの時間の差が顕著になると考えています。それは、大規模モデルになるほど、ユーザーはハンドリングしにくく、コピーしたり、適当なフォルダに保存したり、整理したりすることに時間を要するからです。また、データの保存についても、容量の小さなファイルを格納すればよいため、ユーザーの負担は非常に軽くなります。

実際には、コピーやファイル転送時間にストレスを感じるユーザーは少なくありません。大規模解析には、これらのことを含めたきめ細かい対応が必要であり、そのことで大規模解析を普及させていくことができると考えています。

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