アドバンスシミュレーション Vol.24, 秋村 友香, 大須賀 直子, 三橋 利玄, Advance/FrontNet/Γでは、流体の基礎方程式の時間積分法として、陽解法を採用しています。陽解法は、圧力伝播解析や多成分ガス解析などの圧縮性が支配的な流れの解析や、大規模管路系を比較的大きな格子でモデル化した場合には、効率良く高精度で計算することができます。しかしながら、大規模で複雑な管路系の準定常解析、比較的緩やかな成分変動解析や温度変動解析、気体と液体や超臨界が混在して解析などに用いられる時間刻み幅が液体等の大きな音速によって制限されるため、解析に要する計算時間が多大になることがあります。そこで、多大な計算時間を必要とする解析の計算効率化および高速化を図るために、従来の陽解法に加えて新たに陰解法の開発を行い、Advance/FrontNet/Γに実装を行いました。次に、陰解法を用いた解析を行い、陰解法が陽解法に比べて高速で効率的に計算されていることを示しました。本稿では、開発を行った陰解法の数値解法、陰解法を用いた事例解析による計算効率の向上性の検討について報告します。(PDF:2,049kB)

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