アドバンスシミュレーション Vol.6, 本稿で扱う有害危険物質は、室内に漂う細かい埃から、炭疽菌のように殺傷力の高い生物剤兵器まで幅広い汚染物質を表します。日常生活におけるシックハウス症候群の原因物質の拡散予測や、有事(生物・化学テロ発生時)に、散布された生物・化学剤がどのように拡散し、または屋内に残留するかを予測するシミュレーションに関して、国内外で研究が進められています。特に、ファーストレスポンダー(初動要員)の救急活動時には、有害危険物質の屋内拡散予測により得られる情報は、大きな減災効果をもたらすでしょう。
本稿では、この有害危険物質の屋内拡散現象について、現在、実用に供されているシステムの実情を国内外の調査結果に基づき解説します。(PDF:383KB)