アドバンスシミュレーション Vol.9, 松原 聖, 桑原 匠史, 従来の音響解析は、あらかじめ設計上でクリティカルになる部位を設計者が想定し、その部位に対する解析を行うことが一般的でした。近年の計算機能力の飛躍的向上を背景として、産業界での製品に対する品質向上への要求から製品全体に対する大規模シミュレーションのニーズが高まっています。このような背景から、音響解析ソフトウェアAdvance/FrontNoiseを、一千万要素を超える大規模な計算に適用することを目的としてAdvance/FrontNoiseを改良しました。ここでは、主として並列機能を改良し、その性能について計測しました。ここで報告するモデルの最大規模は、8300万要素、1400万節点、2800万自由度です。このモデルにつき、16並列の計算機で、1周波数当たり処理時間2時間で結果を得ました。本稿では、大規模解析とその並列性能について報告します。また、Advance/FrontNoiseには従来からの並列機能もあったが、それは大規模計算のためというより高速な処理を行うためでした。ここでは、従来の機能と改良した機能との比較も行います。(PDF:841KB)

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本文中の図1.1 2つの並列化手法の概要

本文中の図5.1 手法による処理時間の比較

本文中の図6.2 解析結果
(左:速度ポテンシャル、右:音圧レベル)
本文中の図6.3 手法Aの並列化性能

本文中の図6.4 手法Bの並列化性能

本文中の図6.5 反復1回の処理の並列性能

本文中の図6.7 反復1回の処理の並列性能

本文中の図6.9 全プロセスと各プロセスの使用記憶容量

本文中の図6.10 各プロセスの使用記憶容量

本文中の図7.1 単極子の結果
(左;立方体表面の速度ポテンシャル分布、右;中央断面の音圧レベル)

本文中の図7.2 双極子の結果
(左;立方体表面の速度ポテンシャル分布、右;中央断面の音圧レベル)

本文中の図7.3 四重極の結果
(左;立方体表面の速度ポテンシャル分布、右;中央断面の音圧レベル)