アドバンスシミュレーション Vol.9, 松原 聖, 桑原 匠史, 従来の音響解析は、あらかじめ設計上でクリティカルになる部位を設計者が想定し、その部位に対する解析を行うことが一般的でした。近年の計算機能力の飛躍的向上を背景として、産業界での製品に対する品質向上への要求から製品全体に対する大規模シミュレーションのニーズが高まっています。このような背景から、音響解析ソフトウェアAdvance/FrontNoiseを、一千万要素を超える大規模な計算に適用することを目的としてAdvance/FrontNoiseを改良しました。ここでは、主として並列機能を改良し、その性能について計測しました。ここで報告するモデルの最大規模は、8300万要素、1400万節点、2800万自由度です。このモデルにつき、16並列の計算機で、1周波数当たり処理時間2時間で結果を得ました。本稿では、大規模解析とその並列性能について報告します。また、Advance/FrontNoiseには従来からの並列機能もあったが、それは大規模計算のためというより高速な処理を行うためでした。ここでは、従来の機能と改良した機能との比較も行います。(PDF:841KB)