アドバンスシミュレーション Vol.30, アドバンスソフト株式会社 , 大西 史倫, 浜野 明千宏, 高橋 淳郎, 三橋 利玄, 前報[1]において自社開発の原子炉建屋・原子炉格納容器熱流動解析ソフトウェア Advance/BAROCを用いて福島第一原子力発電所1号機相当の原子炉建屋の水素漏洩解析を実施し、先行文献[2]とおおむね一致することを報告しました。さらにBAROCコードの性能・妥当性を確認すべくISP-47格納容器模擬試験[3][4]のThAI試験を対象に検証解析を実施し、検証解析では圧力、温度、ヘリウム濃度、水蒸気凝縮などに対する3次元熱流動解析結果を検討しました。他コードの解析結果との比較においては同様の結果が得られることを確認しましたが、試験結果との比較において、前半では良く一致した結果が得られたものの、後半では他コードの解析結果と同様にヘリウム濃度が均一化し試験結果と整合しない結果となり、他コードと同等の性能・妥当性を有することを確認しました。
[1] 大西他, “過酷事故時の原子炉格納容器・原子炉建屋内の水素分布解析”,アドバンスシュミレーション Vol.29 (2022).
[2] 福島第一原子力発電所事故発生後の詳細な進展メカニズムに関する未確認・未解明事項の調査・検討結果「第5回進捗報告」について (添付資料1-10).
[3] H. J, Allelein , et al., “International Standard Thermalhydraulics , Final Report”,NEA/CSNI/R(2007) 10, (Sept. 2007).
[4] 独立行政法人原子力安全基盤機構“, 格納容器内熱流動解析手法の実機適用性検討に関する報告書=ISP-47総合解析=” (2006年8月).(PDF:1,503kB)

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