アドバンスシミュレーション Vol.31, アドバンスソフト株式会社 大西 史倫, 浜野 明千宏, 高橋 淳郎, 三橋 利玄, 福島第一原子力発電所の事故では1、3、4号機で原子炉建屋が破損する水素爆発が発生しています。しかし、2号機は1号機の水素爆発の影響によりブローアウトパネル(以下BOP)が脱落し、BOPが開いた状態でした。そのため、原子炉建屋内の5階に水素が滞留せず、発生した水素がBOPを経由して原子炉建屋外に流出したことで水素爆発に至らなかったと考えられています。そこで、筆者らが開発したAdvance/BAROCを用いてBOP作動時の原子炉建屋内の水素濃度分布解析を行いました。得られた解析結果ではBOP作動時において、水素漏洩停止後の水素濃度は十分低く水素爆発に至らないことが予想される結果が示されました。

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