アドバンスシミュレーション Vol.27, 東京大学 兵庫県立大学 名誉教授, アドバンスソフト株式会社 研究開発センター 井田 喜明, 国立研究開発法人防災科学技術研究所 藤田 英輔, 人工知能技術のひとつである自己組織化写像(SOM)を火山性地震の分類に適用します。火山性地震は2015年8月15日に桜島火山の火口付近で得られた上下動の連続データから振幅の大きさで拾い出しました。SOMの入力層は、火山性地震の継続時間、平均振幅、最大振幅に加えて、2 Hzと0.5 Hzのフィルターをかけて高周波成分を除いたときの平均振幅で構成しました。9~12時に発生した100個の火山性地震を学習材料にして、入力層を2次元平面の15x15個のノードに投影し、波形の特徴も考慮して、火山性地震を短周期の大振幅から始まるタイプS、類似の振動が単調に続くタイプT、主に長周期の振動で構成されるタイプLに分類しました。観測期間内には火山の浅部にマグマが貫入したと推測されており、SOMの投影図を用いて6~16時の発生経過を調べると、タイプSはマグマの貫入と同期し、タイプLは貫入の初期に、タイプTは貫入の後半から貫入後に集中する傾向がみられます。(PDF:751kB)

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