気液二相流解析は、発電システム、熱交換器、冷熱機器、環境技術、燃料電池、輸送機器、化学装置、水資源管理など、産業界のさまざまな分野において実用化されることが期待されています。
また、気液二相流シミュレーションを活用することにより、各種機器の設計開発および現象解明を行うことができ、エネルギー利用の高効率化、軽量化、安全性向上およびCO2 削減による温暖化の抑止などに貢献することができます。しかしながら、現在市販されているソフトウェアには、気泡径分布の変化が適切に取扱えない、乱流挙動の予測精度が低い、相変化を伴う場合に適切な3次元の構成方程式が実装されていない、膨大な計算時間を必要とする、といったさまざまな問題があります。こうした背景を踏まえ、気液二相流解析ソフトウェア Advance/FrontFlow/MP の新機能をご紹介しました。
今回のセミナーは、特別講師として熱工学、流体工学、エネルギー工学、原子力工学を専門とされ、産業界にも広く提言をなさっている、 国立大学法人電気通信大学 教授 大川富雄様 をお迎えしました。気液二相流解析の基礎から、サブクール沸騰、液滴衝突現象、二流体モデルの数学的不適切性といったトピックスを交えながら、気液二相流解析の現状と今後への期待についてご講演いただきました。
産業界において気液二相流解析を研究されている方はもとより、大学、研究機関および企業において研究を始めたばかりの方々にも参考としていただける内容です。 (PDF:4,803kB)