アドバンスシミュレーション Vol.8, 松原 聖, 従来の構造解析は、あらかじめ設計上でクリティカルになる部位を設計者が想定し、その部位に対する解析を行うことが一般的でした。近年の計算機能力の飛躍的向上を背景として、産業界での製品に対する品質向上への要求から製品全体に対する大規模構造解析シミュレーションのニーズが高まっています。これまで、並列計算機を利用した大規模計算については、計算方法はほぼ確立され、多くの研究により成果が残されてきました。現状では、これらの研究成果を産業界への実用技術として、技術移転を完了させなければなりません。そのために、現在は、安価となった並列計算機等のハードウェアでの大規模構造解析を、さらに手軽に実施できるソフトウェアを普及させる時期と位置付けています。この問題を解決するためのアプローチは幾つかあり、当社で販売しているAdvance/FrontSTRでは、並列計算機による大規模解析を実施するための幾つもの仕組みがあります。本ソフトウェアの開発当時から力を注いできた並列計算機での高速性能の他に、例えば、本特集で紹介するアセンブリ機能、リファイナー機能を提供しています。これらの機能により、大規模解析の容易さが格段に向上しました。本稿では、これらの課題に対する当社での取り組み、および、その成果であるAdvance/FrontSTR Ver.4.0の概要について述べます。(PDF:429KB)

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