概要
管路系流体過渡解析ソフトウェア Advance/FrontNet/Γ でできること(5つの特長)
- 流体の管路に沿った1方向の流れの過渡解析を行うことができます。
- 流体と熱のやり取りをする構造物中の熱伝導解析を行うことができます。
- バルブと流体の連成計算を行うことができます。
- PID制御などの制御モデルとバルブ開度の連成を行うことができます。
- 配管や機器の接続関係を任意に取り扱うことができます。専用GUIを用いることにより、計算設定をよりスムーズに、視覚的直観的に行うことができます。
適用分野
- 都市ガス、空調設備、自動車吸排気系、ロケットエンジン、ジェットエンジン、 原子炉炉心冷却解析等、火力発電所、熱量調整系
- 流体機器誤作動時や配管システムの起動・停止時の安全解析
- 配管径の変更や流体機器の条件変更の設計解析
- 流体機器の性能評価解析
主要実績
都市ガス関連
- 都市ガス低圧管路網地震時の供給停止に伴う圧力振動過渡解析
- 都市ガス低圧管路網漏洩時の過渡解析
- 導管網パージ解析
- 都市ガス中圧導管網のブロック化時の過渡解析
- 中圧導管網ミキシングタンク設置検討解析
- 都市ガス高圧導管網の消費量の変動に伴う過渡解析、制御バルブのPID検討解析
- LNG&LPGガス混合システムの熱量制御性解析、異常時熱量変動解析
- 差し水配管系蒸発量解析
- LNG配管溶解窒素挙動解析
原子力関連
- 高温ガス原子炉全炉心の燃料温度および冷却材流量分配解析
- 核融合炉液体リチウムターゲット施設管路網熱交換器機能喪失時の温度挙動解析
宇宙関連
- 極低温流体パイプライン予冷解析
- 液体燃料エンジンシステム定常解析
その他
- シールガス供給配管の圧力応答解析
- 空気系配管バルブ遮断時の圧力応答試験解析
連成解析、カスタマイズ
- 株式会社 オメガシミュレーション製ソフトウェアVisual ModelerとAdvance/FrontNet/Γの連成によるLNG基地解析、高中圧導管網解析、オペレータ向け訓練シミュレータの開発
- 原子炉施設火災試験解析(火災解析シミュレータAdvance/EVE SAYFA&FDSとの連成)
- 液体燃料エンジンシステム再生冷却部配管閉塞時の過渡解析(3次元熱伝導解析・3次元構造亀裂進展解析シミュレータとの連成解析)
- ロケットエンジンシステム設計ツールカスタマイズ
解析事例
- 解析事例目次
事例番号 | タイトル |
1. | 衝撃波管問題(Riemann問題):過渡解析と1次風上差分のベンチマーク |
2. | 圧送設備の空気の解析:摩擦損失のベンチマーク |
3. | ガス管網定常解析:管網解析のベンチマーク |
4. | バルブ遮断時の圧力波伝播解析:実測値との比較 |
5. | 高圧導管網過渡解析 |
6. | 液体管路系過渡解析 |
7. | パッシブスカラーによる爆発時のPu燃料輸送解析 |
8. | 圧縮空気の充填 |
9. | 水冷ヒートシンク解析 |
10. | 移動ポーラスモデルを使ったトンネル突入時の圧力波解析 |
11. | コークス炉におけるブロワトリップ時のガスホルダー影響検討 |
12. | ガスパージ解析の実測値との比較 |
13. | 超高圧と超低圧が混在する管路系流体解析 |
14. | 水-空気置換管路系流体解析 |
15. | 熱量変動解析(実機比較) |
カスタマイズ、受託解析・開発
FrontNetシリーズは、単にソフトウェアの提供だけではなく、お客さまのニーズに合わせたカスタマイズや、新たな流体機器の作成なども行っております。また、製品開発に伴い蓄積された技術的なノウハウを生かして、お客さまの自前のプログラムのカスタマイズ等も行っております。お気軽にお問い合わせください。
機能一覧
表1 Advance/FrontNet/Γのソルバー機能概要
項目 | 詳細 | |
流体の基礎方程式 | 圧縮性を考慮した、連続方程式、運動量保存式、エネルギー輸送式、流体成分の移流拡散方程式 | |
流体の状態方程式 | ・数値テーブルによる実流体物性 ・単成分の理想気体 ・混合成分の理想気体 | |
流体の格子スキーム | スタガード格子 | |
流体の時間発展スキーム | 陽解法 | Euler 予測子修正子法 |
陰解法 | 半陰解法1(弱圧縮性) | |
陰解法 | 半陰解法2(強圧縮性) | |
陰解法 | 準陰解法1(弱圧縮性) | |
陰解法 | 準陰解法2(強圧縮性) | |
流体の対流項のスキーム | 1次精度風上差分、TVD制限関数(minmod, superbee) | |
固体構造物の基礎方程式 | 1次元非定常熱伝導方程式 | |
物理モデル | 管摩擦損失モデル | |
臨界流モデル | ||
対流熱伝達モデル | ||
輻射熱伝達モデル | ||
パッシブスカラーモデル | ||
初期状態 | 入力 | |
入力 | 形状情報、接続情報、モデルパラメータ、計算パラメータ | |
出力 | 各機器、配管の物理量の時系列データ | |
流体機器 | 配管 | 直管(勾配を考慮) |
弁 | 開度変化を入力で与える(ONOFF弁) | |
弁 | 圧力制御弁(1次遅れとPIDを考慮) | |
送風機 | 流量に応じて昇圧 | |
タービン | 流量に応じて減圧、エネルギー降下の考慮 | |
熱交換器 | 流路と固体構造物の熱伝達および固体構造物内の熱伝導を考慮 |
表2 Advance/FrontNet/ΓのGUI機能概要
項目 | 詳細 |
役割 | 管路系の構築から計算実行、可視化までの一連の作業の支援ツール |
入力支援機能 | 管路接続関係構築機能 [1] 流路と流路:接続、分岐、合流、ループ、流体機器の接続関係 [2] 流路と固体構造物:熱伝達の接続関係 [3] 固体構造物と固体構造物:輻射の接続関係 |
設定誘導画面による入力補助機能 | |
単位変換機能 | |
デフォルト値、ユーザー変更値色分け表示機能 | |
設定不要項目のグレーアウトまたは非表示機能 | |
適用範囲外の数値等のエラー表示機能 | |
ソルバー入力ファイルのエクスポート機能 | |
出力可視化機能 | 指定位置の時系列グラフ可視化機能(複数グラフ表示、一覧表示) |
コンター表示(VTK形式でのエクスポート機能) |
表3 Advance/FrontNet/Γの入力項目
項目 | 詳細 | 入力項目 |
計算 | 時間発展スキームの選択 | 陽解法、陰解法(半陰解法1、半陰解法2、準陰解法1、準陰解法2) |
計算時間 | 計算時間、Courant数(音速基準/流速基準)、ナルトランジエント時間 | |
差分スキーム | 1次風上、minmod、superbee | |
メッシュの設定 | 基本メッシュ長さを設定するか、各配管のメッシュ分割数を指定する | |
管摩擦モデルの設定 | Churchillモデルまたは入力値指定 | |
時系列情報の出力 | 配管の上流から何mの位置か 何ステップに1回出力するか | |
初期値の設定 | 圧力、温度、流量 | |
流体物性 | 理想気体単成分ガスを仮定する場合 | 20種類のデータベースから選択または分子量、比熱比、粘性、熱伝導率などをユーザーが入力する |
理想気体混合成分ガスを仮定する場合 | 混合する可能性がある単成分理想気体ガスを選択する | |
実流体物性を使用する場合 | 水素、酸素、空気、都市ガスなどの流体を指定 (22種類のデータベースから選択) | |
配管 | 直管 | 配管長、配管径、粗度(Churchillモデル指定の場合) |
境界条件 | ・圧力 または流量 ・温度 ・流体のモル分率 ・パッシブスカラー値 | 固定値または時系列情報を入力 |
接続 | 接続、分岐、合流 | 抵抗係数、直径 |
抵抗部 | ベンドやオリフィス等の局所抵抗 | 抵抗係数 |
バルブ | 開度とCv値の関係、開度、遮断速度 | |
制御系 | 1次遅れ、PID、設定圧力(SV値) | |
熱構造体 | 1次元熱伝導(円筒、平板) | 構造体の厚み、材料物性、発熱密度 |
物理モデル | 拡散モデル | 分子拡散係数(Chapman-Enskogモデルまたは入力値) 流れ場の拡散係数のパラメータ |
パッシブスカラー | 分子量、密度、粘性、最大値、最小値 |
動作環境
表4 Advance/FrontNet/Γの動作環境
項目 | 詳細 |
CPU | Intel Pentium 4 2.0GHz以上(Intel Core2Duo 1.33 GHz以上推奨) |
メモリ | 1GB以上必須(2GB以上推奨) |
グラフィックボード | 下記オペレーティングシステムが動作する製品であれば特に制限はございません。(デュアルモニターですとより便利にお使いいただけます。) |
モニター | XGA(1024x768)以上 (大規模な管路系を解析対象とする場合はデュアルモニターを利用するとより便利に利用できます。) |
オペレーティングシステム(OS) | Windows 7, Windows 8, Windows8.1, Windows10 (x86,x64両対応) ※1 |
必須ソフトウェア | Microsoft Visio(2010および2013, 2016, 365に対応)※2 Microsoft .NET Framework 4 ※3 Adobe Reader (マニュアルの閲覧に必要) ※4 |
※1 プラットフォームは32bit,64bit両対応となっております。Microsoft Office Visioを必要とするため、Microsoft Officeのプラットフォームに合わせて選択してください。詳細は下表を参照してください。
表5 マシン環境とAdvance/FrontNet/Γのプラットフォーム
マシン環境1 | マシン環境2 | マシン環境3 | マシン環境4 | |
OS(Windows) | 64bit | 64bit | 32bit | 32bit |
Visio | Visio 64bit | Visio 32bit | Visio 64bit | Visio 32bit |
組み合わせ | あり | あり | なし | あり |
プラットフォーム | 64 bit | 32 bit (64 bit マシン上で32 bitとして動作) | - | 32 bit |
※2 Microsoft VisioはMicrosoft社の製品です。別途ご購入いただく必要がございます。Microsoft社が提供するVisioのインストーラーからVisioをインストールする場合は、通常32bit版がインストールされます。ユーザーの指定によりVisio 64bit版をインストールすることができます。
Microsoft VisioのエディションはStandard とProfessionalに対応しています。
※3 Advance/FrontNet/Γのインストール時にMicrosoft .NET Framework 4の環境がない場合、Advance/FrontNet/ΓのインストーラーがMicrosoft .NET Framework 4のインストールを自動で行います。もしくは、前もってMicrosoft社のホームページより無償でインストールすることも可能です。その場合、以下のURLからダウンロードが可能です。インストールはダウンロードされたインストーラーの指示に従ってください。 http://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=17851
※4 Adobe社のホームページより無償でダウンロード可能です。以下のURLよりダウンロードし、インストーラの指示にしたがってインストールを行ってください。 http://www.adobe.com/jp/products/reader/
プリポスト
動画紹介
バルブ急閉時の圧力波伝播解析
水冷ヒートシンクの伝熱解析
計算設定から実行、結果確認までのデモンストレーション
評価版お申し込み
評価版をご用意しております。興味のある方はお問い合わせください。
評価版をご用意しております。興味のある方はお問い合わせください。
ご利用にあたって
試用期間 | ライセンスファイル取得から1か月です。 |
使い方に関するお問い合わせ サポート | メールのみの対応とさせていただきます。 |
理論説明書 | 製品版のみの対応となっております。 |
評価レポート提出のお願い | 貴重なご意見を今後のよりよいソフトウェアを開発するための参考とさせていただきます。 |
免責事項 | 本ソフトウェアを利用して発生したいかなる損害に関してアドバンスソフト株式会社は一切の責任を負いません。ご了承ください。 |
注意事項 | 評価版はソフトウェアの機能と使い勝手をお試しいただくためのものです。本ソフトウェアをお客さまの業務にご利用いただくことはできません。 |
注意事項
本ソフトウェアはMicrosoft社の製品であるMicrosoft Visioが必要となります。Microsoft Visioの評価版を利用して本評価版を使用することができます。
更新履歴
更新日付 | バージョン | 更新情報 |
2020年2月 | 3.0.0243.36 | ガスホルダーの追加 |
2019年11月 | 3.0.0243.35 | ポーラスモデルの追加 |
2018年9月 | 3.0.0243 | ラインチャートの追加 |
2017年9月 | 3.0 | 陰解法の導入、パッシブスカラーの導入 |
2016年11月 | 2.3 | 64bit対応、理想気体DBの充実とCpの温度多項式の導入 |
2015年3月 | 2.1 | TVDリミタの導入、拡散項の追加 |
2013年10月 | 2.0 | 制御弁の導入 |
2012年2月 | 1.4 | 追加(ソルバー):多成分ガス解析機能の追加 |
2009年6月 | 1.00 | 新規(GUI):正式版リリース(配管、バルブ対応) |
2009年3月 | 1.00β10 | 新規(GUI):βリリース(配管、バルブ対応) |
2009年2月 | 1.00β8 | 追加(ソルバー):熱伝導ボリューム対応 |
2008年10月 | 1.00β6 | 修正(ソルバー):配管ボリュームの径の変化を考慮する場合の運動量保存式の修正 |
2007年12月 | 1.00β5 | 追加(ソルバー):バルブの追加 追加(ソルバー):臨界流モデルの追加 |
2007年4月 | 1.00β3 | 新規(ソルバー):リリース(ソルバーのみ) |